2021/09/14~09/16 【稚内→美瑛→網走→知床】北海道フリーパスで行く北海道1周の旅 中編

 イランカラプテ。

 今回は前回の続き、北海道1周の旅の続きをお送りします。中編です。今回は稚内を出発して道東を目指し観光していきます。

 それでは今回もよろしくお願いします。

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はじめに

この旅行は三記事に分けて投稿しています。本記事はその中編です。前編、後編は以下のURLから見ることが出来ます。

前編↓

tellurium-key.hatenablog.com

後編↓

tellurium-key.hatenablog.com

 

3日目

宗谷本線 特急サロベツ 稚内→名寄

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 おはようございます。ここはJR北海道稚内駅、時刻は朝の6:30。6:36発の特急サロベツに乗り、この最北の地から去ります。特急サロベツ、使用車両はキハ261系

 稚内南稚内駅を過ぎると、僅かな時間日本海が見える区間があります。今日は素晴らしい晴天。それだけでも幸運なのに、今日はなんと利尻富士が顔を出してくれました!いやぁ、最高ですね!

 宗谷本線は稚内から旭川までを結ぶ路線です。天塩川と並走。途中美深や士別といった大きな街はあるものの、基本森の中を走ります。屯田兵はこんな森の中を切り開いて開拓していたわけです。今の北海道があるのはそういった人達のおかげですね。感謝しかありません。

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 さて、そんな大きな街のひとつである名寄に到着しました。ここで一旦降ります。少しの時間ですがあるものを見に行きます。

 

SL排雪列車「キマロキ」静態保存

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 名寄駅から徒歩15分ほどのところにある公園にそれはあります。SL排雪列車として昔多くの場で使われた「キマロキ編成」と呼ばれるものの静態保存車両です。キマロキの「キ」は機関車、つまり蒸気機関車のことです。「マ」はマックレー車、「ロ」はロータリー車、そして最後にまた「キ」の機関車。これで「キマロキ」です。

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 1つずつ車両を解説します。まず1番前に前にキュウロクの愛称で知られる9600型蒸気機関車。これは大正時代から製造されたとても大型な蒸気機関車で、その大きさに見合ったパワーを持っています。

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 次にマックレー車。これは写真からわかるように、大きな口が付いています。これで雪をかき集め、後ろのロータリー車にそれを運ぶ役割を持ちます。

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 その次にロータリー車。先程のマックレー車から渡された雪を遠くへ投げ飛ばす役割を持ちます。

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 次にデゴイチの愛称で知られるD51型蒸気機関車。これは全国各地を走っていたおそらく最も有名な機関車では無いでしょうか?前に機関車が付いているのに後ろに機関車が付いているのワケは、それほどのパワーでなければ北海道の雪を取り除くことが出来ないということです。

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 そして最後に車掌車。昔は貨物列車などにも車掌が付いていて、その人たちが乗る用の車両です。

 計5つの車両。こんな長い編成で残っている静態保存は初めて見たので、興奮してしまいましたね。

 

宗谷本線 快速なよろ 名寄→旭川

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 さて、名寄駅に帰ってきました。これから乗るのは快速なよろ号。使用車両はキハ54です。特急は本数が少ないので、これでまた旭川を目指します。

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 ワンマン運転だったので、空の車掌室から撮影。北海道は真っ直ぐな線路が多く、撮影も楽しいですね。撮影した場所は忘れてしまいましたが、恐らく塩狩峠だと思います。昔、この坂道を登っていた列車の最後尾の客車の連結が外れてしまい、坂道を逆走。1人の乗務員が線路に飛び込み、自分の体を犠牲に客車を止めたという話があります。それほどこの峠を登ることは鉄道にとって困難でしたが、この気動車は楽々と登っていきます。有難い。

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富良野線 旭川→美瑛

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 今日の目的地は「青い池」と呼ばれるところです。昨日と同じ気動車に乗って美瑛まで目指します。

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 と、いうわけで着きました。昨日と同じ路線だったのであんまり写真撮ってなかった…。美瑛も多くの観光客で賑わうところです。さて、青い池までのバスに乗ろう、と思ったのですが・・・。

 

青い池

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 え〜、乗り遅れました。写真はバス停を既に発車してしまったバス。言い訳をすると、バス停何個もあってどのバス停に待ってればいいのかわからんかった…。これは僕が待つべきバス停を既に発車してしまったバス…。これを逃すと3時間はバスが来ません…。うーん…。

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 苦肉の策ですが、レンタサイクルを借りました。電動自転車なので楽だとは思いますが、どうやら青い池までは1時間ほどかかるらしい…。まあ僕も20代の男なのでね、ちょっと頑張りますか。

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 自転車で1時間、ずーっと直進。初めて乗る電動自転車に感動しながら見るこの景色!何も無い!これが北海道!素晴らしい!僕が北海道に求めていたものはこんな景色!電動自転車を作った人と北海道開拓者に感謝しながらさらに足を進めます。東海道を電動自転車で渡ったYouTuberを知っていますが、その人が「これがあれば日本どこへだって行ける気がする」という言葉に納得します。

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 青い池が近づくにつれて景色もさらに良くなってきました。なんだここは…。車のCMに出てくるようなところじゃないか…。ドライブしたら最高だろうな…。

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 青い池に到着する前に道の駅があったのでここで昼ごはん。コロッケとハッシュドポテトだったかな?北海道のジャガイモは美味い!運動した後だからさらに美味かった!

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 青い池の英訳は「Blue pond」。pondは人口池という意味です。つまり青い池は自然のものでは無いことを示していますね。あともう少し。

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 さて、ようやく青い池に着きました。道中絶景だらけでしたが、ここもかなりの絶景。難しい話をすると、青い池の中のコロイド粒子が波長の短い青い光をより多く散乱して青く見えます。水自体は青くないんですね。Macの壁紙にもなるのも納得です。

 

白ひげの滝

 青い池から少し下ったところに白ひげの滝があるので、それも見に行きます。その道中になんと…

 キツネと遭遇!ひゃ〜可愛い…。

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 これが白ひげの滝。午後に来てしまって影になっていますが、良い景色です。白ひげの滝は落差30m。水は地下水から湧き出たもので、とても済んでいました。この水は先程の青い池に続いています。

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 途中に白金不動の滝というところがあったので寄り道。ここも神秘的で素晴しかった。

 

富良野線 美瑛→旭川

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 白ひげの滝を見たあとまた自転車で1.5時間かけて美瑛駅まで戻ってきました。ちょうど駅に着いたタイミングで旭川行の列車が待っていました。ラッキー!

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 旭川で適当に入ったラーメン屋で夕食。チャーシュー麺うめぇ!旭川は道内では人口比のラーメン店数が1番だとか。

 宿は紹介しません。うーん、安いとは言えかなり酷かった…。ちゃんとレビュー見てから予約しましょう…。

 

4日目

石北本線 特急オホーツク 旭川→網走

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 おはようございます。昨日の宿の対応があまりにも酷かったので少々不機嫌ですが、気持ちを切り替えて今日も楽しもうと思い、旭川を出発します。この後の悲劇を何も知らないで…。乗った列車は特急オホーツク。使用車両はキハ183系。(写真は撮れなかったので前日の特急大雪、使用車両は同じ)

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 このキハ183系はもうだいぶ古い特急車両になっており、側面の塗装などは剥げています。ですが、中の座席などは国鉄特急を思わせるレトロなものが多く、とても素晴らしいですね。今年引退した185系もこのような感じでした。

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 列車は遠軽駅に到着。ここで昨日買っておいたグリーン席に乗り換えます。キハ183系グリーン車には是非乗ってみたいと前から思っていました。写真からわかる通り、グリーン車だけ少し背が高くなっています。要するにハイデッカー車というやつです。北海道は草木が多いですから、それに邪魔されず景色を楽しめたのはとても良かったですね!キハ183系グリーン車、オススメです!石北本線の特急はたまにキハ183系で無い時があるので、ご利用になられる際は注意です。

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 列車は網走駅に到着。3時間40分の乗車、とても満足しました。

 

網走監獄

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 網走駅からバスに乗り、網走監獄に来ました。網走といえばこれじゃないですか?昔実際に使われていた監獄が現在博物館として展示されています。ちょっと囚人の気持ちになって入りました。

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 当時の風呂の様子。感染症などが流行ると大問題なので、風呂は重要だったようですね。もちろん、囚人たちの楽しみの1つでもあったようです。

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https://www.kangoku.jp/exhibition_facility_goyokuhousha.html

 舎房と呼ばれる建物。囚人たちは割り振られた部屋で生活をしていました。二枚目は中央見張り塔と呼ばれるもので、ここから建物は斜方状に伸びており、ここに立っていればどこの部屋も監視できるというものでした。

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 実際に囚人が暮らしていた牢屋。

 網走監獄の歴史をしっかり勉強したので、次の目的地に向かいます。

 

悲劇からホテル

 さて、次の目的地はサンゴ草群落地です。そこに夕方に着くバスが丁度あるので乗っていきましょう!と思ったら…バスを間違えてしまいました。全然違うところに連れられてお金も無駄にし、サンゴ草群落地に行くバスは僕の目の前を通過していきました。昨日といい今日といい、何もかもついてないですね…。

 次来るバスを待っていると日が暮れてしまうので、今日は諦めてホテルに行くことに…。網走まで来て監獄を見ただけとは…。

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 もうお酒が飲みたい気分だったので、近くのセイコーマートで夕食。明日はなんとかいい旅にしていきたいなと思い就寝。おやすみなさい。

 

5日目

サンゴ草群落地

 おはようございます。今日乗る列車は10:20発とかなので時間もあり、昨日行けなかったサンゴ草群落地に早朝から行こうと早起きしました。本当は夕暮れと一緒に撮りたかったのですが、仕方ありません。昨日乗れなかったバスに乗り込みます。

 バスの運転手さんが本当に親切で、バスを降りる際にバス停からサンゴ草まで行く方法を教えてもらいました(乗客は僕しかいなかったので、迷惑は誰にもかけてないと思います)。「気をつけてね!楽しんできて!」と言われ、北海道民の暖かさを知りました。

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 ここがサンゴ草群落地です。どうですか?絶景でしょう?私も初めて見て思わず声を出してしまいました。いやぁ、凄い。サンゴ草と呼ばれるこの植物はアッケシソウといいます。塩分を多く含んだ湿地帯によく生えています。

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 サンゴ草群落地の奥に見える湖は能取湖で、元々は汽水湖でしたが、現在は海水の湖になっています。

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 本当は夕陽でさらに染められた真っ赤なサンゴ草を見たかったですが、これもこれで朝露に濡れたサンゴ草が見られてとても綺麗でした。

 

卯原内交通公園

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 先程のサンゴ草群落地から能取湖沿いを徒歩で少し、卯原内交通公園というところまで来ました。元々ここには鉄道が走っており、その廃線の駅と列車が保存されています。写真は9600形蒸気機関車とオハ47形客車。海水の近くですが状態が良く、大切にされているのがわかります。

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 ここで少し保存車両を撮影し、バスで網走駅まで戻りました。

 

釧網本線 快速それとこ摩周号 網走→知床斜里

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 網走から南下し、知床斜里まで向かいます。乗る列車はキハ54。向かいにはキハ40が止まっていました。

 釧網本線は本当に景色が良く、今回の旅でとても好きになった路線です。冬にはここをSLが走ります。北海道で唯一のSL列車です。

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 さて、知床斜里駅に到着しました。列車を降りてバスに乗り換えます(写真無い…)。

 国道334号線を北上します。オホーツク海沿いを走るので、景色が綺麗でしたね。

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 これどう見ても亀じゃないですか?

 

知床 オロンコ岩 知床遊覧船おーろら 他

 今回の旅のメインです。時間の都合上行けないところも多いですが、知床の街と自然を満喫します!

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 バスをウトロ温泉バスターミナルで下車。近くの道の駅まで歩き、網走駅で買っておいた鮭とイクラの親子丼をいただきます。うっひょ〜!潮風に当たりながら食べる北海道の海鮮、たまらないですねぇ〜

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 道の駅の隣には知床世界遺産センターがあります。ここで知床についての展示を多く見ることができます。ヒグマ撃退スプレーの体験ができたりします。

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 オロンコ岩まで来ました。60mもあるその大きな岩には階段がついており、展望台からの景色は本当に素晴らしいです。知床八景のひとつにも数えられています。

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 オロンコ岩から見えるゴジラ岩。本当にゴジラに見える。

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 知床の街は満喫したので、次は自然を満喫したいと思います。乗るのは「知床遊覧船 おーろら」。

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 本当に素晴しい景色。こんなの人生で初めて見ました。

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 遊覧船に乗ると高確率でヒグマに出会えるそうです。この日もアナウンスされましたが…うーん、見えない…。500円で双眼鏡の貸出をしているので、積極的に借りるべきです。一応適当に撮った写真には写っていたみたい。

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 カムイワッカの滝です。硫黄成分が多く含まれるこの滝の周辺は海がエメラルドグリーンに色づいています。このカムイワッカの滝まで来ると船はウトロ港へ引き返します。名残惜しい。この景色に僕は本当に心から感動していました。

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 1.5時間の乗船を終えてとても満足しました。まだまだ知床の魅力があるだろうと思いますが、時間もなくこのままバスに乗り込みます。残念。また大人になったら高いお金払って良い宿に泊まって満喫したいですね!

 

釧網本線 知床斜里→釧路

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 知床斜里駅まで帰ってきました。今日の宿、釧路を目指すのですが、来た列車がこれ。ルパン三世のラッピングがされたキハ54です。ルパン三世の作者であるモンキー・パンチ氏の出身地が北海道浜中町なので、このような列車が走っています。実はこれアタリ車両で、座席が特急車両と同じリクライニングシートになっています。北海道の普通列車でリクライニングシートに座れるとは…w

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 釧網本線釧路湿原なんかも通りますが、なんせ時間が遅いですから何も見えません。釧路駅まで爆睡。快適でした。

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 ホテルに到着。何故かシングルを予約したのにベッドが2つ。そりゃ1泊7000円で高いわけだ…。釧路はどうやら宿代が高いところが多そうです。また明日に備えて寝ます!

 トラブル続きで落ち込んでいた心も知床の雄大な自然の前にはちっぽけなものでしたね!また次の旅も良いものになるので、後編を是非お読みください。では!

 

お世話になった宿など

網走セントラルホテル

www.abashirich.com

ラスティングホテル

www.lasting-hotel.jp

知床遊覧船 おーろら

www.ms-aurora.com